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高尿酸血症(痛風)

高尿酸血症・痛風とは

高尿酸血症(痛風)高尿酸血症は採血検査で尿酸値が7.0 mg/dLを超えるもののことを言います。高尿酸血症の頻度は男性で20%、女性で5%と報告されており、男性の5人に1人が高尿酸血症です。また、高尿酸血症の方の約80%には高血圧肥満耐糖能異常脂質異常症といった生活習慣病を合併すると言われており、これらが合併していないかの評価も重要です。
高尿酸血症を放置するといずれ痛風を発症します。痛風を初めて発症するのは30歳代が最も多く、若い時から注意が必要です。痛風結節ができると、関節破壊や圧迫による末梢神経障害、皮膚潰瘍などを起こすことがあります。高尿酸血症の期間が長く、尿酸値が高値であるほど痛風結節ができやすいです。

痛風を治療しないとどうなるか

高尿酸血症を治療しないと、何回も痛風発作を起こし、徐々に無症状の期間が短くなっていきます。初めは1つの関節の炎症ですが、時間がたつと複数の関節の炎症が続くこととなります。さらに、関節の炎症によって骨破壊が進行し、関節破壊や骨折が進み、関節の変形や運動障害が起こります。

高尿酸血症の原因

高尿酸血症・痛風の発症に関わる原因

高尿酸血症・痛風の発症に関わる原因は次のようなものがあります。

  • 高プリン食の摂取
  • 無酸素運動(筋トレ)
  • 肥満
  • アルコール
  • 極度なダイエット
  • 薬剤(利尿薬やβ遮断薬)
  • 閉経
  • ストレス
  • 遺伝

他の代表的な原因疾患

他の代表的な原因疾患は次のようなものがあります。

高尿酸血症の治療

治療としては大きく2つに分けられ、①生活習慣の改善②尿酸降下薬になります。

生活習慣の改善

生活習慣の改善については次のようなことが勧められます。

  • 食事量を適正にする
  • 節酒:プリン体の影響が重要でビールは蒸留酒やワインよりも尿酸値を上げます。尿酸値への影響を最低限にする1日量の目安は、日本酒は1合まで、ビールは種類によって異なりますが350mL〜500mLまで、ウイスキー60mLまで、ワイン148mLです。
  • プリン体の多い食べ物を減らす:プリン体の多い食べ物としては肉類、魚類に多く、野菜類、キノコ類、豆類、穀類、卵、乳製品には少ないです。プリン体は水溶性なので肉類や魚類のゆで汁を摂取しなければ摂取量を減らすことができます。
  • 果糖を減らす:甘い飲み物やジュースは控えましょう。
  • 有酸素運動:1日30分以上の脈が少し早くなる程度の運動が勧められます。無酸素運動(筋トレ)は尿酸値が上昇しやすいため、実施する場合は低強度が勧められます。

尿酸降下薬

尿酸降下薬は大きく3つに分けられ、①尿酸が作られるのを減らす薬、②尿酸がでていく量を増やす薬、③尿酸が再吸収されるのを防ぐ薬があります。これらを病態に応じて使い分け、状況によっては併用も検討します。
尿酸値の目標は6.0mg/dL以下です。6.0mg/dL以下を持続することで組織に沈着した結晶を消失させます。

肥満、糖尿病と高尿酸血症

肥満と高尿酸血症

肥満があると、腎臓からの尿酸排泄が低下するため、尿酸値が上昇します。理由としては、肥満による高インスリン血症で尿酸の再吸収促進があげられます。6ヶ月で3%以上体重減量することによって尿酸値が低下した報告があります。当院ではダイエット外来やダイエット治療も実施しております。

糖尿病と高尿酸血症

また、糖尿病の前段階ではインスリン抵抗性の影響で高インスリン血症を呈するため、尿酸値は上昇します。一方、糖尿病が重症化し、尿糖を認めるようになると尿酸値は低下することが多いです。また、糖尿病患者さんでSGLT2阻害薬を使用する際も尿酸が低下します。

糖尿病治療インスリン・GLP-1、マンジャロ

睡眠時無呼吸症候群と高尿酸血症

 

睡眠時無呼吸症候群の方の多くで高尿酸血症を合併する報告があります。睡眠時無呼吸症候群では、夜間に呼吸が止まったり、呼吸が止まりかけたりすることで酸素が足りなくなるため、エネルギー源であるATP(アデノシン三リン酸)の分解が進み、尿酸の産生が増えます。また、睡眠時無呼吸症候群ではインスリン抵抗性も合併し、尿酸が体内に取り込まれることも原因と考えられております。CPAPを上手に使用できている方は、CPAP治療によって尿酸排泄が改善した報告があります。

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慢性腎臓病(CKD)と高尿酸血症

腎臓の機能が低下している慢性腎臓病(CKD)では尿酸の排泄が低下しているため尿酸値が上昇することがあります。尿酸の排泄が十分にできないため、原則として尿酸生成抑制薬を使用します。

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痛風の治療

痛風の治療痛風は関節内にできた結晶によって生じる関節の炎症です。薬物療法としては非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、コルヒチン、グルココルチコイドがあります。これらを経過、合併症などを考慮していずれかを選択します。また、痛い部分を冷却することで痛みを減らす効果があることが報告されております。元々、尿酸降下薬を内服されていた方は、痛風発作中も継続しながら痛み止めの内服を併用します。完全に痛風発作が治まって2週間以上経過してから内服量をゆっくり増やしていきます。未治療だった方も同様に2週間以上経過してから尿酸降下薬を少量から開始します。

痛風発作時に尿酸値がなぜ低くなるのですか

痛風発作時に尿酸値が低くなることがあります。その理由としては、炎症の誘因のIL-6が尿酸排泄を促進する作用があるため、尿酸値が低くなることがあります。特に、炎症反応のCRPというものが上昇している痛風発作時ほど、痛風発作中に尿酸が下がって、発作がおさまると再度尿酸値が増加することがあります。