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糖尿病内科

糖尿病とは

糖尿病内科糖尿病は、インスリンという血糖値を下げるホルモンの作用不足によって高血糖状態を呈することを言います。作用不足の原因として大きく2つあり、①インスリンの量が足りない、②インスリンが作用しにくい(インスリン抵抗性)があげられます。血糖値が高い状態が続くと血管が障害され、腎障害、神経障害、視力障害をきたします。また、動脈硬化も進行することで、心筋梗塞、脳卒中や下肢の壊疽(足が腐ってしまうこと)などの重大な合併症を呈します。のどが渇く、体重が減る、多飲、尿の量が多くなるといった自覚症状が有名ですが、ほとんど自覚症状が現れずに健康診断によって指摘されることが多いと言われています。近年、進歩によって生命予後は大きく改善しております。症状が出現した時には進行していることもありますので、合併症を進行させないためにも、無症状である今だからこそ治療することが大切です。

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糖尿病の分類

糖尿病は大きく4つに分かれ、①1型糖尿病、②2型糖尿病、③その他の原因、④妊娠糖尿病があります。大多数の方は2型糖尿病になります。1型糖尿病と2型糖尿病の違いですが、1型糖尿病は膵β細胞というインスリンを分泌している細胞が破壊されるためインスリンがほとんど分泌されなくなってしまうことが原因です。一方、2型糖尿病はインスリン抵抗性(インスリンが効きにくくなること)が主体ですが、糖尿病の期間が長くなったり、血糖コントロールの状態が悪いとインスリン量も低下してくることがあります。

糖尿病の原因

1型糖尿病はインスリンを作っている膵臓の膵β細胞が自己免疫異常などによって破壊されると言われていますが、発症の原因ははっきりしておりません。
2型糖尿病は家族歴(血のつながった家族に糖尿病の方がいる)、過食、運動不足などの生活習慣、肥満が一般的です。家族歴については、家族歴がない方と比較して、糖尿病の方が1人いる場合は約2.7倍、2人の場合は約6倍、3人以上では約12倍と報告されてます。

やせ型の糖尿病

一般的には、糖尿病の方は肥満のイメージがあるかもしれませんが、肥満がなくやせ型の方でも糖尿病になるリスクはあります。筋肉は糖を取り込みますが、やせ型の方は筋肉量が少ないため、血糖値が上昇しやすく、下がりにくい体質となります。筋肉に取り込まれなかった糖は中性脂肪となるため、内臓脂肪や皮下脂肪が増加し、見た目はやせているのに脂肪肝になる方もいます。このようなことからインスリン抵抗性が増加するため、やせ型でも糖尿病となることがあります。

糖尿病の診断

糖尿病は次の2項目を満たした際に診断されます。

  • 血糖値 (空腹時≧126 mg/dL、75g経口ブドウ糖負荷試験 2時間値 ≧ 200 mg/dL、随時血糖 ≧ 200 mg/dLのいずれか)
  • HbA1c ≧6.5%

血糖値のみ上記項目を満たす場合でも糖尿病の典型的症状がある(のどが渇く、多飲、尿が多い、体重減少)、もしくは確実な糖尿病網膜症を認めた際は糖尿病の診断となります。血糖値のみ上記項目を満たし、糖尿病症状がない場合は、再検査します。再検査で血糖値もしくはHbA1cが上記項目のいずれか1つ以上満たした時に糖尿病と診断します。

HbA1cのみ上記項目を満たす場合は、再検査を実施し、血糖値が上記項目を満たせば糖尿病と診断します。再検査でも上記項目を満たすのがHbA1cのみの時は糖尿病疑いとなります。糖尿病疑いでは、定期的に血糖値、HbA1cを再検査することや75g経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)などを検討します。

糖尿病の早期発見

早期の糖尿病は食後血糖値だけが高いことが多く、進行すると空腹時血糖値も上昇してきます。通常の健康診断では空腹時血糖値しか調べないため、実は食後高血糖が見逃されていることがあります。食後急激に上がった血糖値を下げるためにインスリンが大量に分泌されるため、今度は急激に血糖値が低下することを「血糖値スパイク」といいます。血糖値スパイクによって動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳梗塞のリスクがあがることや、食後の強い眠気、倦怠感、集中力低下などを呈することがありますので早期発見が重要です。糖質のみ食べると急激に血糖値が上昇するため、蛋白質、脂質、食物繊維と一緒に食べることや、食事の最初に野菜から食べるベジファーストが有効です。他には、食後に運動することや、朝食を食べる習慣がなかった方は朝食を食べることも効果的です。また、甲状腺機能亢進症では胃腸運動の亢進、小腸における糖の吸収亢進によって食後高血糖となることがあるため、血糖値スパイクの原因として甲状腺機能を調べることも大切です。

睡眠と関連する可能性も示唆されています。睡眠不足ではコルチゾール増加によるインスリン抵抗性や、食欲を亢進させるグレリンが増えます。また、睡眠時無呼吸症候群によって、睡眠を分断されたり、十分に酸素がいかないこと、交感神経活性化などによってインスリン抵抗性が高まる可能性や、2型糖尿病発症リスクと関連する可能性も報告されおり、睡眠について評価することも重要です。

HbA1c6.0~6.4%の方では糖尿病を疑って検査することが勧められます。食後血糖値が高い可能性があるため、食後採血や75g経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)、フリースタイルリブレなどを使用することも検討されます。

血糖測定について

糖尿病の治療法

1型糖尿病と2型糖尿病で異なります。
一般的な1型糖尿病ではインスリンがほとんど分泌されなくなるため、基本的にはインスリン注射が必須となります。
2型糖尿病では食事療法、運動療法を基本として、それでも血糖コントロールが不十分であれば経口血糖降下薬、注射薬あるいはインスリンを使用します。当院では患者様の生活習慣や合併症の状態にあわせて最適な食事・運動療法・薬物治療をご提案します。

糖尿病での血糖コントロールの目標

糖尿病での血糖コントロールの目標

血糖コントロールの目標値としては、血糖正常化を目指す際の目標はHbA1c 6.0%未満、合併症予防のための目標は7.0%未満、治療強化が難しい場合の目標は8.0%未満です。HbA1c 7.0%未満に対応するおおよその目安としては、空腹時血糖130 mg/dl未満、食後2時間血糖値 180 mg/dl未満です。ただ、実際の目標は、前述した内容を参考として、病態や合併症、治療環境などを考慮し個別に目標値を設定します。また、高齢者の方は前述したものとは異なる血糖コントロール目標が提唱されており、患者さんの特徴、健康状態、重症低血糖が危惧される薬剤の使用の有無によって個別に血糖コントロール目標を設定します。

糖尿病の合併症

細い血管を障害する細小血管症と大きい血管を障害する大血管症に分かれております。細小血管症として、糖尿病性神経障害、糖尿病網膜症、糖尿病性腎症があり、「しんけい」、「め」、「じんぞう」の頭文字をとって「しめじ」と覚えます。この細小血管症を糖尿病の三大合併症と呼びます。大血管症は、足病変(足壊疽、閉塞性動脈硬化症など)、脳梗塞、虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症のこと)があり、「えそ」、「のうこうそく」、「きょけつせいしんしっかん」の頭文字をとって、「えのき」と覚えます。また、「しめじ」と「えのき」以外にも日本人の2型糖尿病患者の多くで睡眠時無呼吸症候群を合併していたという報告があります。糖尿病や睡眠時無呼吸症候群だけでも心血管死亡リスクは上昇しますが、どちらも合併するとリスクがさらに高くなることが報告されてます。自覚症状が乏しいこともございますので、定期的に合併症の検査を受けることが大切となります。睡眠時無呼吸症候群についても、当院ではご自宅で検査可能で、治療も可能です。